健康寿命への考え方と取り組み

健康寿命とはなにか?

健康寿命とは2000年にWHO(世界保健機関)が提唱したもので、「人が健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」をいい、もっと分かりやすくいうと「人が健康に自立して暮らせる期間」のことをいいます。これに対して平均寿命とは、「人が生まれてから死ぬまでの期間の平均」のことであり、平均寿命から健康寿命を引いた期間は食事、排泄、入浴、更衣、移動などの日常生活動作に他の人の手を借りなければならない「介護を必要とする不健康な期間」ということができます。

厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」によると、平成13年と平成22年を比べた場合、日本の健康寿命は男性が69.40歳から70.42歳に1.02歳、女性は72.65歳から73.62歳に0.97歳延びています。

これに対して平均寿命は、男性が78.07歳から79.55歳に1.48歳、女性が84.93歳から86.30歳に1.37歳延びており、平均寿命の延びに比べて健康寿命の延びは男女ともに70%前後、つまり「介護を要する不健康な期間」が9年で0.4歳増えていることになります。

医療の発展などによって平均寿命も着実に伸びている現在、自分が高齢になった時にできるだけ長く健康で周りの手を煩わせることがないよう、健康寿命を延伸させることを意識して生活することが大切です。

健康寿命を延ばすための国の取り組み-健康日本21とは

厚生労働省では平均寿命と健康寿命の差が拡大することで、医療費や介護給付費などが増大することを懸念し、健康寿命の延伸を呼び掛けています。

「健康日本21」は、2000年に厚生労働省により策定されたもので、生活習慣病の一次予防に重点を置いて、その大きな要因である生活習慣の改善を推進する運動です。そして健康日本21には第一次と第二次があり、第一次は2000年から2012年まで、第二次は2013年から2022年までの期間となっています。

その内容についてですが、まず健康日本21(第一次)は「食生活・栄養」、「身体活動・運動」、「休養・心の健康づくり」、「たばこ」、「アルコール」、「歯の健康」、「糖尿病」、「循環器病」、「がん」の9つの分野において、2010年までに達成すべき数値目標を設定し、これをクリアするために「自己管理能力の向上」、「専門家等による支援と定期管理」、「保健所等による情報管理と普及啓発の推進」の3つを柱とする対策を行っていました。

そしてその結果、9分野に設定した80項目の目標の内、再掲を除く59項目の最終結果は次の通りです。

A.目標値に達した 10項目(16.9%)

B.目標に達していないが改善傾向 25項目(42.4%)

C.変わらない 14項目(23.7%)

D.悪化している 9項目(15.3%)

E.評価困難 1項目(1.7%)

達成状況をみてみると、59項目のうち約6割が改善された(A及びB)ものの、悪化したもの(D)が約1.5割ありました。中でも特に目覚ましい成果をあげたのが「メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加」で、目標が「20歳以上の国民の80%以上」であったのに対し、2009年には92.7%となっていました。一方悪化した項目は「糖尿病合併症を持つ人の割合」でした。

そして健康日本21(第二次)は第一次の結果と反省、そして10数年間における国民の健康状態の変化を踏まえ、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」、「主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防」、「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」、「健康を支え、守るための社会的環境の整備」、「食生活、運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善」の5項目を基本的な方向性として掲げています。

特に国民一人一人の目標を示すだけでなく、それを可能にする社会環境の構築を目標に加えたことが第一次と大きく異なる点です。

このような取り組みによって国は健康寿命の延伸を目指しており、私たち国民一人一人も長く健康で充実した生活を送るためにこの運動を理解し積極的に参加することが必要です。

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